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北勢病院homeお知らせ 〉 桑名高校衛生看護科の皆さんへ 副院長より14

  • 2021.10.11

桑名高校衛生看護科の皆さんへ 副院長より14

これは桑名高校衛生看護科の皆さんへ向けたお知らせです。
内容は精神科の試験の出題内容についてです(2021年度)。


 教科書 30ページ、3思考の障害 様々な妄想について理解しておいてほしいです。
 妄想イコール統合失調症というイメージが強いですが、妄想は様々な精神疾患で生じます。被害妄想は主に統合失調症に多いですが、その中でも嫉妬妄想は認知症など高齢者の精神疾患でも生じますし、物盗られ妄想は認知症の記憶障害から起こります。
 思い込みが過度になることで自閉スペクトラム症を基盤に起きることも稀にあります。
微小妄想はうつ病、誇大妄想は躁うつ病が重症化した場合にも認めます。統合失調症でも起きることはあります。


 271ページに具体的な症例がありますが、統合失調症の急性期の症状、治療的対応について、まとめておいてください。

 統合失調症では、自我意識の障害(35ページ参照)があり、させられ体験、思考伝播(32ページ)といった脳の様々な機能不全(71ページ)が生じます。72ページ図3-1に症状がまとめられていますが、統合失調症の一番重要で基本となる症状は認知機能障害です。

 色々なことができなくなって生活の様々な場面で困るようになってきます。その”言い訳”として妄想が生じることがあります。例えば「自分がいつも仕事で叱られるのはCIAが裏で手を回しているからだ」という風に。


 77ページ、82ページにある躁うつ病、うつ病の症状を理解しておいてください。専門用語や症状を丸暗記する必要はありません。症状が起こってくる機序を理解すればおのずと数珠つなぎに思い出しますし、治療対応も理解しやすいです。

 躁うつ病の躁状態で一番重要なのは「自尊心の肥大」(それによる誇大妄想)です。逆にうつ病では「自己価値の低下」(それによる微小妄想、自殺念慮)が重要です。どちらの病態でも、どうなったら入院適応になるのか知っておいてください。


 自閉スペクトラム症の特性について理解しておいてください。診断基準を丸暗記する必要はありません。その特性によって、どんなときに困って、だから医療者がどのように対応すべきか、どういった環境(職場、学校など)で彼らが安定しやすいか、考えておいてください。

友達と相談して同じ答えを書くのだけはやめて下さい。自分なりの考えで説明してくれたら、それが一番いいです。

 臨床の現場において模範解答はありませんし、教科書通りの症状の患者さんは来ません。その場その場で自分なりに考えて対応する習慣を身に着けてほしいです。
これは桑名高校衛生看護科の皆さんへ向けたお知らせです。
内容は精神科の試験の出題内容についてです(2021年度)。


 教科書 30ページ、3思考の障害 様々な妄想について理解しておいてほしいです。
 妄想イコール統合失調症というイメージが強いですが、妄想は様々な精神疾患で生じます。被害妄想は主に統合失調症に多いですが、その中でも嫉妬妄想は認知症など高齢者の精神疾患でも生じますし、物盗られ妄想は認知症の記憶障害から起こります。
 思い込みが過度になることで自閉スペクトラム症を基盤に起きることも稀にあります。
微小妄想はうつ病、誇大妄想は躁うつ病が重症化した場合にも認めます。統合失調症でも起きることはあります。


 271ページに具体的な症例がありますが、統合失調症の急性期の症状、治療的対応について、まとめておいてください。

 統合失調症では、自我意識の障害(35ページ参照)があり、させられ体験、思考伝播(32ページ)といった脳の様々な機能不全(71ページ)が生じます。72ページ図3-1に症状がまとめられていますが、統合失調症の一番重要で基本となる症状は認知機能障害です。

 色々なことができなくなって生活の様々な場面で困るようになってきます。その”言い訳”として妄想が生じることがあります。例えば「自分がいつも仕事で叱られるのはCIAが裏で手を回しているからだ」という風に。


 77ページ、82ページにある躁うつ病、うつ病の症状を理解しておいてください。専門用語や症状を丸暗記する必要はありません。症状が起こってくる機序を理解すればおのずと数珠つなぎに思い出しますし、治療対応も理解しやすいです。

 躁うつ病の躁状態で一番重要なのは「自尊心の肥大」(それによる誇大妄想)です。逆にうつ病では「自己価値の低下」(それによる微小妄想、自殺念慮)が重要です。どちらの病態でも、どうなったら入院適応になるのか知っておいてください。


 自閉スペクトラム症の特性について理解しておいてください。診断基準を丸暗記する必要はありません。その特性によって、どんなときに困って、だから医療者がどのように対応すべきか、どういった環境(職場、学校など)で彼らが安定しやすいか、考えておいてください。

友達と相談して同じ答えを書くのだけはやめて下さい。自分なりの考えで説明してくれたら、それが一番いいです。

 臨床の現場において模範解答はありませんし、教科書通りの症状の患者さんは来ません。その場その場で自分なりに考えて対応する習慣を身に着けてほしいです。